ニューヨーク・フードコーディネーターのアパートメント

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ニューヨーク州マンハッタン。
初めて訪れたのは1995年、
40日間のアメリカ一人旅の最後に訪れた、
夢にまで見た憧れの場所です。

その時の10日間の滞在が本当に楽しく、充実したものだったので、
それ以来、マンハッタンが大好きになりました。

マンハッタンのホテルはとても高いので、ホテルよりは多少
安く泊まれるウィークリータイプのアパートに滞在することにしました。
そのウィークリーアパートは、マンハッタンのアッパーウェストサイド81丁目の角にあり、私が泊まった部屋は5階でした。キッチン、リビング、ベッドルームにバスルーム、それにベランダ・・・実際にはカギがかかっていてベランダには出られませんでしたが・・・本当に1人では広すぎるくらい。テレビも見放題で、とても快適な部屋でした。

マンハッタンはとても物騒な場所だと思っていましたが
実際はそんなことは全くなくて、危ない場所さえ行かなければ、
女一人でも全然大丈夫!なのでした。
バスや地下鉄に乗り、歩き回り、毎日暗くなるまで、
ひたすら街を散策していました。

話は少しそれますが、 私の”
ニューヨーク憧れ歴”はとても長いのです。
かれこれ20年以上も前に、八神純子さんのヒット曲「
パープルタウン」を聴いて以来
(めちゃめちゃ昔の話ですねー(笑))、
どんなところなのか、行ってみたくてたまらない所でした。
歌詞にあるとおり、「
紫に煙る夜明け」を、実際にウィークリーアパートの
窓から見た時には、本当に鳥肌がたつほど感動しました。



前置きが長くなってしまいましたが、
これはそのウィークリーアパートをイメージして製作したドールハウスです。
実際にはもっと殺風景な部屋でしたが、
「もしあの部屋に住むとしたら」と、あれこれインテリアを想像して、
楽しみながら製作しました。

実際の思い出と、想像の世界を組み合わせたシーンを創ること。

私にとって、これこそがドールハウス作りの醍醐味だと思っています。






もとは市販のルームボックス(アメリカ製)。
裏側と、向かって右の壁を切り抜いて、
3方から見て楽しめるように作り直しました。






こんな感じです。
左がホームオフィスで右側がベランダ。







キッチンです。
ネコを二匹飼ってます。

(もう一匹はホームオフィスのベッドの上)

床はヒノキ棒を貼り、ステンシルを施しました。






マンハッタンに住む、フードコーディネートを仕事にしている
女の子のアトリエという設定です。

ストロベリーケーキを撮影し終わったところで、そろそろランチタイム。
サンドイッチとジュースは近くのデリ「ZABAR'S」で買ってきました。
(実際に私もZABAR’Sで、日々の食事を調達してました。)
ZABAR'Sは、マンハッタンでも有名な食料品店で、
映画「ユーガットメール」でメグ・ライアンがお買い物してましたっけ。


フラワーアレンジメントは紫さん、サンドイッチはオリジナル、
美味しそうな苺ケーキは、アン・シーザーさんの作品。
シーザーさんはアメリカで大変有名なミニチュアフード作家ですが、
私がアメリカ滞在した時のホストマザーでもあります。
彼女には本当にお世話になっていて、
彼女の存在がなければ、ドールハウス作家としての
今の自分はないといって過言ではありません。






ホームオフィスへのドア。
手前にはカメラの機材などを置いています。






仕事で遅くなった時に泊まれるように、
小さいベッドもあります。





パソコンでは”食”のサイトを毎日チェック。


パソコン一式はアメリカ製の既製のものを、
全体の色を塗り替え、モニターの画像を変えたり
コードを足したりしました。






私の作品に度々登場する、Kikiさん作のネコ。
1つとして同じ毛並み、表情のものはありません。
どのネコちゃんも、個性があって本当に可愛い。

単に「よく出来ている」の一言では言い表せないほど
素晴らしい出来栄えのネコだと思います。

ネコへの愛情をとても感じます。







夜のベランダです。
1日の仕事を終えて、キャンドルを灯してしばしのリラックスタイム。

ベランダから見るマンハッタンの夜景は、最高!
(・・・のつもり)。


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余談になりますが・・・

95年に初めてマンハッタンを訪れて以来、
これまでウィークリーアパートには3回滞在しました。

一度など、ニューヨークに着くなり高熱が出てしまい、
1人さびしくこのアパートのベッドの中で、
ウンウンうなっていたこともあります。
それでも何とか食べ物を調達しなければならず、
2ブロックしか離れていないZABAR'Sが
ものすごーく遠くに思えたものです。

今となってはそれも楽しい思い出。


このドールハウスを見る度に、
ニューヨークでの様々な思い出が鮮やかによみがえります。

旅の思い出にひたれるのも、ドールハウス作りの楽しみのひとつ。

私にとってのドールハウス作りに
”旅” は欠かせないものかもしれません。




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この作品は、
「私のドールハウス ベストセレクション2」(学研)
にも掲載されています。プロのカメラマンが撮って下さった
素敵な写真です。よろしければ、そちらもどうぞ
併せてご覧下さいね。


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