essay 2
● 厳密な数値よりも、大事なこと ●
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1／12スケールでミニチュアを作るときには、
まず実物の寸法を12で割ってみましょう。
例えば、高さが10センチ、直径９センチのマグカップの
ミニチュアを作るとして、12で割ると、高さ0.8333…センチ、直径0.75センチです。
ドールハウスにおいてのミニチュア作りは、
厳密な数値が求められるものではないので、
計算で出た数値を四捨五入するなりして、あえて適度に直します。
0.8333…は１センチ、0.75を９ミリというサイズに直してマグカップを作ってみます。
実際にドールハウスの中に飾ってみて、もっと小さいほうがいいとか、
もう少し大きめに作ったほうがいいとか、必要を感じたら調整します。
規格が決まっているとはいえ、サイズの微調整は大事なポイント。
その調整こそが自分のバランス感覚であり、個性といえるのだと思います。
繰り返しになりますが、ドールハウス作りは、
厳密な縮尺率や数値だけを求めるものではありません。
計算機がはじき出した数値よりも、見た目のリアリティ（本物らしく見えること）と
バランス感覚のほうが、ずっと大切だと私は思っています。